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Posted: May 4th, 2017, 10:18 am
僕は嘘をつくのは得意ではない。でも嘘をつくこと自体はそれほど嫌いではない。変な言い方だけど、つまり「深刻な嘘をつくのは苦手だけど、害のない出鱈目を言うのはけっこう好きだ」ということです。
昔、ある月刊誌で書評を頼まれたことがある。僕は本を書く人間で、批評する人間じゃないから、書評ってできればやりたくないんだけど、そのときは事情があって、「まいいや、やりましょう」と引き受けた。でも普通どおりにやっても面白くないから、架空の本をでっちあけて、それを詳しく評論することにした。実在しない人の伝記の書評とかね。これはやってみると、なかなか愉快でした。でっちあけをするぶん頭は使うけれど、本を読む時間は節約できる。それに取り上げた本の著者に「あの野郎、ろくでもないことを書きやがって」と個人的に恨まれたりすることもないですしね。
この偽書評を書いたときには、あとで誰かから「ろくでもない嘘をつくな」という苦情の手紙とか、「どこ行けばこの本が手にはいるのか」といった問い合わせが来るんじゃないかと覚悟していたんだけど、一通も来なくて気が抜けたというか、まあそれはそれでほっとした。結局のところ、月刊誌の書評なんて誰も真剣に読んでないんだろうという気もしなくはないんだけれど、どうなんだろうね。
それから、今はわりにまじめに答えているけど、生意気盛りの若い頃は、インタビューでもしばしばいい加減なことを言っていた。どんな本を読んでいるかときかれて「そうですねえ、最近は明治時代の小説をよく読んでいます。初期言文一致運動に関わったマイナーな作家が好きで、具体的に言うと、牟田口正午とか、大坂五兵なんかの作品は、今読んでも刺激的だと思いますよ」とか答えたりしてね。
もちろん、どっちの作家も実在しない。完全なでっちあげである。でもそんなこと誰にもわからない。僕はそういう口からでまかせのことをすらすらと並べ立てるのがわりに得意です。得意というか、苦労がないというか。
日本語では「真っ赤な嘘」っていうけど、どうして嘘は赤いのか知っていますか?奈良時代の日本では、悪質な嘘をついて世間を窓わせた人には、赤い大福餅を12個口に詰め込んで窒息死させるという酷い刑罰があったからですというのは例によって嘘だ。どして嘘が赤いのか、昔から気になっていて、いつか調べようと思っていたんだけど、この数十年ずっと忙しくて手がはなせなくて(嘘つけ)まだ調べてない。
英語にはWhite lieという言葉がある。これは「罪のない(方便の、儀礼的な)嘘」のことです(これはほんと)。文字どおり「真っ白な噓」。僕の嘘はどっちかというとこっちに近い。害はない、と思う。だって赤い大福餅を12個無理に食べさせられたりしちゃ、たまらないものね。
昔、ある月刊誌で書評を頼まれたことがある。僕は本を書く人間で、批評する人間じゃないから、書評ってできればやりたくないんだけど、そのときは事情があって、「まいいや、やりましょう」と引き受けた。でも普通どおりにやっても面白くないから、架空の本をでっちあけて、それを詳しく評論することにした。実在しない人の伝記の書評とかね。これはやってみると、なかなか愉快でした。でっちあけをするぶん頭は使うけれど、本を読む時間は節約できる。それに取り上げた本の著者に「あの野郎、ろくでもないことを書きやがって」と個人的に恨まれたりすることもないですしね。
この偽書評を書いたときには、あとで誰かから「ろくでもない嘘をつくな」という苦情の手紙とか、「どこ行けばこの本が手にはいるのか」といった問い合わせが来るんじゃないかと覚悟していたんだけど、一通も来なくて気が抜けたというか、まあそれはそれでほっとした。結局のところ、月刊誌の書評なんて誰も真剣に読んでないんだろうという気もしなくはないんだけれど、どうなんだろうね。
それから、今はわりにまじめに答えているけど、生意気盛りの若い頃は、インタビューでもしばしばいい加減なことを言っていた。どんな本を読んでいるかときかれて「そうですねえ、最近は明治時代の小説をよく読んでいます。初期言文一致運動に関わったマイナーな作家が好きで、具体的に言うと、牟田口正午とか、大坂五兵なんかの作品は、今読んでも刺激的だと思いますよ」とか答えたりしてね。
もちろん、どっちの作家も実在しない。完全なでっちあげである。でもそんなこと誰にもわからない。僕はそういう口からでまかせのことをすらすらと並べ立てるのがわりに得意です。得意というか、苦労がないというか。
日本語では「真っ赤な嘘」っていうけど、どうして嘘は赤いのか知っていますか?奈良時代の日本では、悪質な嘘をついて世間を窓わせた人には、赤い大福餅を12個口に詰め込んで窒息死させるという酷い刑罰があったからですというのは例によって嘘だ。どして嘘が赤いのか、昔から気になっていて、いつか調べようと思っていたんだけど、この数十年ずっと忙しくて手がはなせなくて(嘘つけ)まだ調べてない。
英語にはWhite lieという言葉がある。これは「罪のない(方便の、儀礼的な)嘘」のことです(これはほんと)。文字どおり「真っ白な噓」。僕の嘘はどっちかというとこっちに近い。害はない、と思う。だって赤い大福餅を12個無理に食べさせられたりしちゃ、たまらないものね。